心臓や大血管の手術を行う際、一時的に心臓を停止させた状態で手術を行います。心臓を停止させている間に、全身の血液循環を代行する生命維持装置が人工心肺装置です。臨床工学技士は、人工心肺の操作、心筋保護液注入の操作、冷温水槽、自己血回収装置などの機器の操作を行っています。それらを3名の技士で対応し、年間60例程度の症例をトラブルなく安全に行っています。
心臓血管外科医・麻酔科医・看護師と緊密に連携し、安全で質の高い医療を提供できるよう努めています。
人工心肺装置(右)・心筋保護装置(左)
人工心肺装置の操作
心筋保護装置の操作
補助循環
循環動態が不安定な患者さんには、心臓機能を補助する目的で循環装置(ECMO、IABP)が用いられます。それらの操作や管理を24時間体制で行っています。
また、医師・看護師等とECMOチームを立ち上げ、業務改善に取り組んでいます。
左:経皮的心肺補助装置(V-A ECMO) 右:大動脈内バルーンパンピング装置(IABP)
ICUでの補助循環装置 使用中点検の様子
ECMO 新人向け勉強会の様子
TAVI業務(Transcatheter Aortic Valve Implantation)
岡山県北では初となるTAVI実施施設として認定を受け、2021年2月から治療を開始しています。
臨床工学技士は、ポリグラフの操作、体外式ペースメーカーの操作、清潔野でのデバイス準備を行っています。
清潔野では、カテーテルに生体弁を取り付ける作業(クリンプ)やその他TAVIに必要な物品の準備を行っています。
急変時に備えて、補助循環装置(ECMO、IABP)や人工心肺をスタンバイし、速やかに循環確保ができる体制を整えています。
術前には医師、看護師、放射線技師、そして臨床工学技士で構成されるハートチームにてカンファレンスを行い情報共有を行っています。
2023.4更新