ダヴィンチ手術について
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「ダヴィンチ手術」とは
腹腔鏡下手術支援ロボット「ダヴィンチ」は、湾岸戦争の負傷兵に対して遠隔操作手術を目的に、米軍により開発が進められた軍事システムですが、現在では全世界で平和利用され、日本国内でもすでに約300台、県内においても岡山大学を始め6台のダヴィンチが稼働しています。
当院において県北初の「ダヴィンチ」が導入され、2019年初旬より前立腺がんに対してロボット手術を実施しております。
2021年12月より胃がんに対するロボット手術を開始し、2022年4月より直腸がんに対するロボット手術を開始しました。
「ダヴィンチ」の特徴
3Dハイビジョンカメラ
高解像度三次元画像で最大15倍の拡大視野の良好な術野が得られます。
多関節鉗子機能
7自由度の多関節機能による『人間』の関節を超える自由な動きが得られます。
モーションスケーリング機能
術者の手の動きを縮小して伝達することにより繊細な手術が可能です。
手ぶれ防止機能
手指の動きを正確かつ安全に伝達することが可能です。
術者の負担軽減
清潔厳守の術野から離れて、座って良好な視野での直感的操作を行うことによる肉体的負担や精神的疲労度が軽減されます。
上記のような特徴がありますが、AI(人工知能)が行う全自動手術ではなく、ロボット手術チーム(術者やコメディカル等)の日々のたゆまぬ研鑽が必要であることは言うまでもありません。
胃がんロボット支援下手術
ロボット手術のメリットとしては3Dカメラでリアルな立体画像の拡大視野、多関節機能をもつ鉗子、手振れ防止機構などにより腹腔鏡手術で難易度の高い部位でも安全で精密な手術操作を行うことができ、出血量も少ない点が挙げられます。特に胃がんの場合は開腹手術・腹腔鏡手術では胃の背側にある膵臓を押さえたりリンパ節を切除する際に傷付けたりすることが原因で膵液瘻(たんぱく質を溶かしてしまう膵液がお腹の中に漏れ出て炎症を起こすこと)という合併症が問題になっていましたが、ロボット手術ではこの合併症の頻度が少なくなることが証明されています。その他執刀医のストレスが少なく、没入感が強いことで、より集中した確実な手術が可能とされています。
実際の胃がんロボット支援下手術は、専門のトレーニングを受けた認定資格を有する医師が行います。胃がんロボット支援下手術の適応になるかどうかなどの治療の詳細については担当医にお尋ねください。
直腸がんロボット支援下手術
肺がん及び縦隔腫瘍ロボット支援下手術
当院では ロボット支援下肺癌および縦隔腫瘍手術(RATS)を県北地域で初めて開始しました。
RATSは従来の胸腔鏡手術(VATS)と同様に小さな傷で手術を行うことにより、疼痛軽減や早期回復を実現できることはもちろん,双眼鏡での3D画像と、多関節を有する鉗子の使用で、VATSでは角度的に困難なことが多かった操作を,思いのままの角度から容易かつ安全に行うことが可能です.また、手振れがないことから,肺癌手術において特に繊細な操作が求められる血管鞘や気管支鞘の剥離などでは威力を発揮します.RATSは機器の進歩によりますます発展する可能性を持っており,今後が期待されます.
質問コーナー
どのような病気(疾患)でも、ダヴィンチ手術は可能でしょうか。 | |
手術が必要となる全ての疾患で、適応となるわけではありません。 津山中央病院では、2022年10月現在、胃がん、直腸がん、前立腺がん、腎がんの手術についてダヴィンチ手術を実施しております。 |
ロボットが勝手に手術をするのですか。 | |
ダヴィンチ手術は、認定資格を取得し、トレーニングを積んだ熟練した技術をもつ医師によって行われます。 ロボットが単独で手術をするのではなく、医師がロボットを活用して行う手術だとお考えください。 |
ダヴィンチ手術を受けたいです。 | |
医師が診察を行い、手術の適応が認められる場合に受けることができます。 まずは、かかりつけの主治医にご相談ください。 |
費用はどのくらいかかりますか。 | |
胃がん、直腸がん、前立腺がん、腎がんに対する手術は、医療保険の適応となります。 費用については、保険の種類などによって変わってきます。 |
受診したいです。どうすれば良いですか。 | |
予約なしにて来院されますと、長時間お待ちいただくことになります。 かかりつけの医療機関から予約をおとりいただき、主治医からの紹介状などをお持ちいただけますようお願いいたします。 |