津山中央病院


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内視鏡センター
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食道静脈瘤硬化療法

食道静脈瘤硬化療法

 肝硬変(B型、C型、アルコール性、その他)を有している患者さんには食道静脈瘤が形成されます。これは肝臓から門脈という血管がでており、肝硬変の患者さんの場合にはこの門脈の圧が亢進することで食道の静脈が膨張・蛇行し食道静脈瘤となります。食道静脈瘤自体での自覚症状はありませんが、時に破裂し大量出血となり吐血や黒色便を来すことがあります。特に、上部消化管内視鏡検査で静脈瘤の形態が大きいもの(F2以上)や表面にred color signと言われる発赤所見を認めるものでは破裂の可能性が高く予防的に内視鏡的治療を行うことが推奨されています。
当院での予防的な治療では内視鏡的静脈瘤硬化療法を用いており平成23年は44件、平成24年は42件の治療を行っています。方法としては内視鏡検査と同様に喉の局所麻酔を行った後、静脈麻酔により少し眠っていただき処置を開始します。内視鏡で静脈瘤を確認し専用の針を静脈瘤に穿刺し、レントゲンで確認しながら静脈瘤内・静脈瘤周囲に硬化剤を注入することで静脈瘤そのものを硬化します。治療当日は絶食となりますが、翌日には偶発症がないことを確認し食事を開始させていただきます。1度の治療では静脈瘤が残存し複数回の治療が必要となる場合もあり、1週間から2週間の間隔で治療を行っていきます。